今日は情報のH25第10問について解説します。
ISOによって提唱されたネットワーク接続にかかわるモデルをOSI参照モデルと呼ぶ。OSI参照モデルは、アプリケーション層、プレゼンテーション層、セッション層、トランスポート層、ネットワーク層、データリンク層、物理層の7つの層からなる。ネットワーク接続に関する記述として最も適切なものはどれか。
ア Bluetooth通信は、データリンク層での接続方法の規定だけを用いて通信を行う形式であり、物理層を規定していないため、無線通信が可能となる。
イ TCP/IP において、TCP パケットに発信元のIPアドレスを付けてIPパケットを作りネットワークに送り出すのは、ネットワーク層に該当する。
ウ TCP/IP は、7つの層のうち、4つの層を規定して通信を行う通信プロトコルである。
エ イーサネットの基本仕様は、上位層であるアプリケーション層とプレゼンテーション層の2つの層で規定される。
解説
ネットワークのOSI基本参照モデルに関する問題です。ネットワークを通じてコンピューター同士がやり取りするための約束事をプロトコルと言いますが、プロトコルを7階層に分けたものがOSI基本参照モデルです。基本的には、この第1階層から第7階層までを組み合わせることでコンピューター同士のコミュニケーションが成立するようになっています。
それでは早速、各選択肢を見ていきましょう。
選択肢アのBluetooth通信は、IEEE 802.15.1で定められた無線通信規格です。2.4GHz帯の周波数を使うなど、データリンク層だけでなく物理層の接続方法まで定めています。
よって、この選択肢は×です。
選択肢イのTCP/IPにおいて、IPアドレスを用いて端末を識別し、ネットワーク間を中継できるようにするのはOSI参照モデル第3層(ネットワーク層)のIPです。
よって、この選択肢は〇です。
選択肢ウのTCP/IPは、OSI基本参照モデルの7階層を4階層に対応付けて定義しており、7階層すべての機能を含んでいます。7つの層のうち4つの層だけを規定しているわけではありません。
よって、この選択肢は×です。
選択肢エのイーサネットの基本仕様は、第1層の物理層(物理的にどうつなぐか)と第2層のデータリンク層(同一ネットワーク内でどう通信するか)に該当します。
よって、この選択肢は×です。
以上から、正解は選択肢イとなります。